今年は肌寒い日も多い4月でしたが、5月になってすっかりあたたかく、暑く感じる日も増えましたね。

あたたかくなってくると皮膚科では患者さんが増えて来ますが、その中でも水虫(足白癬)は特に夏近くになると増えたな〜と思う疾患です。

実際には冬場にも足白癬をもつ方は沢山いるのですが、高温多湿な時期になるとじくじくして来て症状が派手になるので受診する方が増えます。

足白癬には足指の間がふやけたり、かさかさとした皮むけがあるタイプの他に、水ぶくれが出来るタイプ、かかとなどが強く角化してかさかさが強いタイプなどがあります。
足白癬に似た湿疹の事もあるので、診断するにはカサカサや水ぶくれの所に真菌がいるかどうかの検査が必要です。

受診する前の注意点ですが、市販の水虫の薬を塗った状態だとこの真菌を調べる検査の結果が出ないことがあります。
市販薬を塗らない状態または中止して2週間程度あけてから受診していただいた方が良いです。
一度の検査では結果がはっきりしないこともあるので、間をあけてもう一度検査が必要になることもあります。
市販薬を塗っていてどんどん症状がひどくなる場合はお薬でかぶれてしまっている事があるので、外用をやめてすぐに受診していただいた方が良いです。まずはかぶれの治療を行い、その後、菌がいるのかどうか検査を行います。

検査で足白癬と診断がついた後は、外用薬による治療となります。
かさかさが強いタイプや爪白癬を合併している方、外用薬にかぶれやすい方の場合は内服薬で治療することもあります。

足白癬の治療で一番大切なのは、塗り方です。
* 症状があるところだけでなく、左右全ての指の間、足の裏、踵の上の方までしっかり外用しましょう。
* 1日1回の外用で充分なので毎日お風呂上がりなどに外用をしましょう。
* 1〜2ヶ月で症状がよくなってくる事が多いですが、そこで外用をやめると症状が残ったり再発してしまうことがあります。症状が無くなったなと思っても更に1ヶ月くらいは外用すると再発率が下がります。

そして水虫を繰り返さないために
* 家族で似た様な症状がある場合は一緒に受診して治療をうけましょう。
* バスマットやスリッパなどの共用は控えましょう。
* 銭湯やジムに行く機会が多い方は、帰宅後足を洗う習慣をつけましょう。足白癬の菌は長い時間(半日以上)菌が付着していないとうつりません。ジムでお風呂に入って帰ってそのまま寝てしまったりすると感染する機会が増えてしまうので気をつけて下さい。

日本人の5人にひとりは水虫といわれています。うつらない様にケア、なってしまった場合は早めの治療をすれば良くなりますので、気になる症状があれば早めに受診して下さいね。