今年は暖冬であまり寒くない日も多いですが、それでもやっぱり暖かい飲み物が飲みたくなったり、カイロが欲しい日もありますね。

冬になるとやけどの患者さんがふえてきます。
多いのが、暖かい飲み物や食べ物をこぼしてしまった、カイロを貼りっぱなしにしていた、湯たんぽが寝ている間に長時間触れていたなどの場合です。

今回はやけどをしてしまった場合の応急処置について書いてみたいと思います。

・やけどの原因になっている物を取り除き、流水で数分間冷やします。
粘性の高い飲みものや食品はできるだけ洗い流します。また食品などがしみ込んだ衣類は出来るだけ早く皮膚から除去しましょう。皮膚にくっついてしまっている場合は上から水を流すだけにして無理にはがさず皮膚科を受診しましょう。

・小範囲が赤くなってヒリヒリしているだけの場合(Ⅰ度熱傷)はワセリンなどを塗って絆創膏やガーゼなどで保護をして様子をみてかまいません。

・やけどが広範囲の場合や水ぶくれが出来たり皮膚がむけてしまった場合(Ⅱ度熱傷以上)、受傷後1日以上たっても症状が軽快しない場合は皮膚科の受診を検討して下さい。

・カイロや湯たんぽのやけどの場合は思っているより深いやけどの事が多いです(低温熱傷)。痛みがあまりなくても早めに皮膚科の受診を検討して下さい。

気をつけたいこととしては
・冷やしすぎに注意しましょう。
保冷剤や氷などを長時間あてていると凍傷になることがあります。ヒリヒリの様子をみながら保冷剤などはあてたり離したりしながらクーリングするようにして下さい。

・消毒は基本的にしなくても良いです。
消毒薬はばい菌だけでなく正常な皮膚の細胞も傷つけてしまう性質を持っています。明らかな感染状態で医師から指示されない場合は流水(水道水)で洗い流すだけで良いです。

・傷パワーパッドの使用の仕方に注意しましょう。
傷パワーパッドなどの創傷被覆剤はうまく使用できれば傷を早く治してくれます。しかし、長時間貼りっぱなしにしてしまい感染してしまう方もよく目にします。使用する場合はしっかり洗い流すこと、長時間貼りっぱなしにしないこと、傷に赤みや痛みが出て来た場合はすぐはがして洗い流し、受診するようにしてください。

・サランラップの使用について
ネットなどでやけどの処置にサランラップの使用をすすめるものを目にしますが、長時間の使用で傷が感染してしまう可能性が高いため使用しない方が良いです。応急処置として病院に行くまでのあいだに使用すると傷がこすれず痛みが緩和される事はありますね。