意外に多いピアスのトラブル。

 

起きたらピアスが耳に埋まってしまってとれません!

っていう患者さんもよくいらっしゃいます。

 

ピアスのトラブルとしては次の様なものがあげられます。

  • 消毒薬のかぶれ
    ピアスを開けたばかりの方に多いのは消毒薬のかぶれです。マキロンなどで消毒していてかぶれる方が多いのですが、実はピアスをあけた孔は感染している傷ではないので消毒は不要です。不潔にならない様にしっかりシャワーなどで流すだけにして消毒薬は使わないようにしましょう。
  • 金属アレルギー
    長くピアスを着用していると増えて来るのが金属アレルギーです。体質によってピアスの金属の成分がだんだん合わなくなって(感作といいます)発症します。
    出来るだけ起こさないためには、
    ・ファーストピアスなどは出来ればチタンなど金属アレルギーの頻度が低いものにしましょう。
    ・ファーストピアスを外す際も出来るだけ孔がしっかり完成して体液などが出ない安定した状態にしてからにし(1〜2ヶ月後)、成分がわからないピアスは着用しないようにしましょう。
    ・金属が溶解することで感作は増えるため、お風呂やプール、海に入る時や汗をたくさんかく時にはピアスは外しましょう。
    ・孔から汁が出たり耳たぶに赤みやかゆみが出るようになる場合は金属アレルギーの場合があるので疑わしいピアスは使用しない様にしましょう。
    金属アレルギーの原因はニッケル、コバルト、クロム、金などの頻度が高いです。金属は合金と言って色々な金属が混じっていることが多いので、心配な場合は購入する時に使用している金属の成分も確認しておいた方が良いですね。
  • ふさがってしまう
    長期間ピアスを使用しなかったり、かぶれてしまって放置しているとピアスが入らなくなることがあります。完全に塞がってしまっている場合はあけ直しになりますし、孔自体が狭くなっているだけの場合はピアスを持って来ていただければ挿入する事が出来る場合もあります。かぶれているときは出来ない事もありますし、金属アレルギーが疑われる場合はチタン軸のファーストピアスを購入して頂いて頂く場合もあるのでご相談下さい。しこりが出来て定期的に腫れる場合は粉瘤というしこりになっている事もあるのでその場合は手術が必要になることがあります。
  • ケロイド
    ケロイド体質だったり、長くピアスかぶれを放置していた時などにピアスの孔がだんだんしこってきて赤紫にもりあがったしこり(ケロイド)が出来ることがあります。小さいうちはステロイドの注射で対応が出来る場合もありますし、大きい場合は切除を行う事もあります。おかしいなと思ったら早めに相談していただいたほうが治りやすいです。
  • 埋まってしまった
    ピアスのヘッドやキャッチごと耳たぶの中に入り込んでとれなくなる事があります。寝る時は必ず外して寝ていただく事、かぶれのような症状があるときはピアスをしない事で予防出来るので気をつけて下さい。入り込んでしまいとれないときは、麻酔をしたり切開を加えて取り除く処置が必要になる事があります。
  • 耳が切れてしまった
    かぶれているのに無理をしてピアスをつけていたり、引っ張られたり、衣類にひっかかったりしてピアスの孔が切れてしまう事があります。そのまま縫合すると耳のふちが数字の3のような切れ込みが入った状態になるため形成外科的な縫合が必要になる事があります。

 

かぶれに気をつけて着用時間を短くするなどである程度トラブルは予防できます。

長くピアスを楽しむためにもぜひ気をつけてくださいね。