今年の夏は特に暑い日が続きますね。
こんな暑い日が続くと、首や肘、締め付け部などの皮膚炎の患者さんが増えてきます。
汗っていいものなんでしょうか、わるいものなんでしょうか?
アトピーの患者さんは汗をかくとかゆくって、、、とおっしゃりますし
反対に、以前岩盤浴やホットヨガが流行った時には、汗は肌に良い成分なので洗い流さない様に、、、という説も流行ったりしました。
汗をかく(発汗)は2種類にわけられます。
- 基礎発汗—安静時にみられる汗として感じない不感発汗。おもに皮膚の水分量維持に作用する。
- 温熱発汗ー温熱や運動負荷時にみられる発汗。体温調節に作用する。
皮膚表面に水分を与えるだけでなく、汗の成分の中には尿酸や乳酸などの天然保湿因子が含まれているので、汗をかくことで皮膚の潤いが保たれやすくなります。
さらに汗の中には抗菌ペプチドという皮膚表面で悪影響を及ぼすバクテリアの発育を抑えて、適切な菌の発育に貢献して細菌叢のバランスも整えてくれたり、アレルギーの原因となるダニなどの抗原が持つ蛋白分解酵素を抑えてくれてアレルギーも少し抑えてくれるのではと言われています。
汗は基礎発汗の状態では良い効果をだしてくれますが、温熱発汗でしたたるようにかいた場合、時間がたつとその効果はだんだんと失われて古い汗にアレルゲンが混じって炎症を起こしてしまいます。
このように汗は皮膚や体の機能を保ってくれる良いものなんですが、一旦体から出てしまい時間がたつと悪いものになってしまうものなのです。
ホットヨガでの汗を流さない様に、っていうのは
ダメ!
な行動なんですね。
汗をかくこと自体は良いことなので、運動がおわったらすぐにシャワーで汗を流して、出来れば保湿までしましょう。
汗をたくさんかいたあとは
- すぐに肘下や膝下など洗い流せるところは水道水で洗う
- 体や首などはおしぼりでこすらない様にふく
- 家に帰ったあとはすぐにシャワーを浴びて汗でしめってしまった衣類を着替える
- 肌が乾燥している事が多いので保湿をする
などのケアをマメにすると汗の悪い影響をうけにくくなります。
赤く皮膚炎の状態になってしまった場合はステロイド外用などの治療が必要になりますので、ご相談くださいね。