アニサキスって知っていますか?

生魚を食べた後にお腹が痛くなって〜という消化管アニサキスが有名ですが、皮膚科ではアニサキスはアレルギー症状を起こす原因として有名です。

 

アニサキスアレルギーの症状の特徴としては

魚介類摂取後6時間以内にじんましん、血管浮腫、腹部症状、血圧低下、呼吸苦などの即時型アレルギー症状がでます。

魚介類摂取後のじんましんの場合はその他にも次の様なものも考えられます。

・さば、さんま、イワシ、マグロ、カツオなどの赤身の魚に含まれるヒスタミンが原因となるアレルギー様食中毒。干物やフライ缶詰などの加熱加工品でも症状が出現することがあります。

・魚のアレルゲンであるパルブアルブミンやコラーゲンによりアレルギー症状を引き起こす魚アレルギー。各種魚類に共通のアレルゲンのため複数の魚に対してアレルギーを起こすことが多いです。

 

採血検査を行い、アニサキス特異的IgE抗体と摂取した魚の特異的IgE抗体が陽性になるかどうかで診断を行っていきます。(結果がでるまでに1週間程度かかります)

 

アニサキスアレルギーと診断された場合は、残念ながらこれまでのようにお魚が食べられなくなってしまいます。

お魚が好きな方が発症している事が多いので、とても辛いと思いますが特にアナフィラキシー症状が出てしまっている方の場合は命に関わる可能性もあるためよく気をつけていただいた方が良いです(重症例にはアドレナリン自己注射の処方も行います)。

 

アニサキスが寄生する魚はとても多く(オキアミを捕食する魚介類には寄生している可能性があります)日本近海の150種類以上の魚介類に認められますが、多いものと少ないものがあるので摂取を検討する際にはご参考にしてください。(書いていないものが安全というわけではないのでご注意ください)

*アニサキスの寄生が多いもの 〜特に注意が必要です〜

・タラ、マス、カツオ、サバ、ニシン、マアジ、スルメイカ

魚の死後温度が上昇するとアニサキスが魚の内臓から筋肉内に移動します。新鮮な魚の内臓を早く除去する事が重要です。

加熱処理をしても抗原は熱耐性のため変わりません。

これらの加工品である蒲鉾、塩辛、チャンジャ、味醂干し、さつま揚げ、ちくわ、つみれなどにも注意が必要です。

*比較的安全性が高いもの

・イワナ、ヤマメ、アユなどの川魚とたこ、貝類、エビ、カニ(オキアミを捕食しないため)

・日本国内の養殖された魚(アニサキスの死滅した冷凍餌をあたえられているため)

・養殖ウナギ (オキアミ類が口に入らないサイズで淡水域で飼育されるため)

・マグロ (漁獲後速やかに船上で内臓が除去されるため)

・コウイカ、ヤリイカ類