今年は梅雨も早くあけ、暑い夏が続きそうですね。
毎年夏の終わりには帯状疱疹の患者さんが増えますが、今年は暑さのためか早くも帯状疱疹にかかる方が増えているのではと思われます。
帯状疱疹は水ぼうそうのウイルスである水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)というウイルスの再活性化によって生じる病気で、体の片側に神経領域に一致した痛みから始まり、紅斑や水疱などの発疹が出て、発疹が治った後も長く痛みが残ることがあります(帯状疱疹後神経痛)。
子供の頃によくかかる病気である水ぼうそうですが、水ぼうそう(水痘)のウイルスは一度症状がおさまっても体の中の神経節で潜伏感染という状態で実は潜んでいます。
体の中にある免疫というシステムでこのウイルスを見張ってくれているので、通常ウイルスは抑えられていますが、様々な理由(疲労、加齢、ステロイド内服、悪性腫瘍、糖尿病など)によりVZV特異的細胞性免疫能が低下すると帯状疱疹が発症します。
発症する年齢ですが、小児期にもみられますが20~30代で減少し、50歳から発症率が上昇し70~80代にピークがあります。近年は小児の水ぼうそうのワクチン接種率が上がり、水ぼうそうの流行が抑えられているため、免疫の賦活化(ウイルスに曝露されることで免疫の力が上がる事)がおきにくく、今後帯状疱疹の発症率が上がって来る可能性があると言われています。
この帯状疱疹の発症率を下げ、帯状疱疹後神経痛の発生を抑えてくれるのが帯状疱疹ワクチンです。
対象は50歳以上となります。
下記の方は接種出来ません。
- 明らかに発熱している方(37.5度以上)
- 重篤な急性疾患にかかっている方
- 本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがある方
- 明らかに免疫機能に以上のある疾患を有する方(急性白血病、慢性白血病、リンパ腫、骨髄やリンパ系に影響を与えるその他の疾患、HIV感染またはAIDSによる免疫抑制状態、細胞性免疫不全、悪性固形腫瘍など)
- 免疫抑制をきたす治療を受けている方(副腎皮質ステロイド剤、免疫抑制剤、抗リウマチ剤、抗悪性腫瘍剤などの治療中で明らかに免疫抑制状態の場合)
- 妊娠している方
その他、心臓や腎臓、肝臓その他の基礎疾患がある方やアレルギーのある方など接種に注意が必要な場合があります。病院に通院中の方は主治医に相談してから接種を行うようにしましょう。
当院での接種は完全予約制となっております。
自費治療となり、ワクチン接種費用は 8,400円 です。
しっかりと睡眠や休息をとり、健康的な生活を行うことが帯状疱疹を防ぐ一番の予防ですが、加齢に伴う免疫力の低下は自分の力ではどうしようもないところがあります。
帯状疱疹ワクチンにご興味がある方はまずはお電話にて予約の相談をお願いいたします。